【2019年12月号】強い企業になれる「藤屋式ニッチ戦略」マルチプル・ニッチャーで 高収益企業を目指そう!

単一事業で伸び悩む企業のトップやリーダーは、「あと1つか2つ、柱になる事業があれば」と思うことだろう。そこで、ドラッカーの「生態的ニッチ」をさらに進化させた「藤屋式ニッチ戦略」で、小さな企業でも多角化を目指せる〔マルチプル・ニッチャー〕の考え方を藤屋伸二氏にうかがってきた。


 
 
■ミスマッチを防ぎ、合否を見極めるチェックシート
 
まずは、ドラッカーの言葉から紹介しましょう。
 
「生態学的地位を確保しようとする戦略は、小さい領域において、実質的な独占を実現することを狙いとする=中略=競争的戦略に成功したものは、大企業として目立つ存在になる。生態的ニッチ戦略に成功したものは、名より実をとることになる。それらの企業は、名もないなかで贅沢に暮らす。事実、生態的ニッチ戦略に成功した企業は、決定的に重要な製品を手がけておきながら、ほとんど目立たない。そのため誰もこれに挑戦しようとさえしない。(イノベーションと企業家精神)」
 
大企業と競争するのではなく、目立たなくてもいいのでしっかり稼ごう、非競争の市場を獲得しようということです。
 
「専門化と多角化に関連がなければ、生産的とはなりえない。専門化だけでは、個人営業の自由業に毛が生えただけのことである。通常、そのような事業は成長できず、一人の人間が死ねば消滅する。しかし逆に、専門化せず、いかなる卓越性もなく、単に多角化しているだけでは、マネジメントはできなくなり、ついにはまったくマネジメントできなくなる。(創造する経営者)」
 
「専門化」とはノウハウを高めることで、「多角化」は強みを応用して事業を展開していくことです。単に知っているからといろんな業態に手を出すのはよくありません。
専門化と多角化の関係は、“or”ではなく、 “and”と考えましょう。図①で、「川上」へ向かうのは専門化で、「川下」の方向が多角化。例えば、出版社が川下の多角化で電子書籍を手がけるなら、川上の専門化ではwebについてのノウハウを深めていかなければならないという関係性です。
 

 
 
■多角化の方向には2通りある
 
さらに図②です。例えばアメリカの某ディーゼルエンジンメーカーは、大型トラック用ディーゼルエンジンの専門化に「知識を集中」させ、販路をアメリカだけでなくアジア、ヨーロッパへと拡大し「市場を多角化」して成功しました。
しかし、顧客の激減に伴い、他社を買収し、中型、小型トラックをはじめ、ブルドーザー等の土木機械や農機具にも着手して「知識を多角化」。そして販路を絞り込んで「市場を集中」して順調に業績を上げたのです。
つまり、多角化の方向は図②のように2通りあり、どちらが望ましいかはそのときの状況によります。状況をきちんと把握して、自社の強みを見極め、その強みを活かせる分野を考えねばなりません。
 
 
■「生態的ニッチ」を理解しておく
 
さらに多角化を考えるにあたって、ドラッカーの「ニッチ」という概念をきちんと掴んでおきましょう。ドラッカーが言うニッチとは〔すき間〕ではなく、ラテン語の「nidus」に由来します。動物の「巣」、人なら「家」という意味で、安心・安全で睡眠ができ、子育てもでき、占有できる場所や空間。それが、「生態的ニッチ」であり、わかりやすくは「適所」と捉えてください。
この生態的ニッチを経営に取り入れた「生態的ニッチ戦略」は、「適所戦略」と言い換えられます。生態的ニッチ戦略=適所戦略は、企業規模に関係なく、自社の実力を活かせる適所で事業展開するものです。
例えばトヨタは1000万台を売りたいので適所といえば世界市場となります。ところが富山県にある光岡自動車は、1日1台の手作りなので国内市場で手一杯。4カ月待ちだといいます。こんな面倒くさい市場には大手も入ってこようとは思いません。これが適所戦略なのです。
 
 
■進化した「藤屋式ニッチ戦略」とは
 
私のところには日々、さまざまな規模、業種の企業から、多角化についても相談が寄せられます。それに応えるために、ドラッカーの生態的ニッチ戦略をベースにしながらも、ブルーオーシャン戦略(非競争の市場)、カテゴライズ戦略(新市場の創造)、ブランド戦略、競争しない競争戦略などの考え方を取り入れたため、今ではドラッカー理論の枠を飛び出してしまっています。
そこで、新たなネーミングが必要となったので、「藤屋式ニッチ戦略」と銘打ってコンサルティングしています。
この「藤屋式ニッチ戦略」とは、自社の強みを活かせる生態的ニッチ(適所:非競争の独占市場)となるように、他社との「棲み分け」と「食い分け」で高収益の独自市場を創り出し、維持・発展させる中長期的な事業への取り組み︱適所繁栄(適所を創り出して繁栄する)を目指すものです。いわば、生態的ニッチをさらに進化させた戦略であり、生態的ニッチな事業を複数展開する多角化企業を「マルチプル・ニッチャー」と言います。
 
 
■マルチプル・ニッチャーを目指した「棲み分け」
 
藤屋式ニッチ戦略による多角化を目指す〔マルチプル・ニッチャー〕のポイントとして前述の“他社との「棲み分け」”を考えてみましょう。それには「誰に・何を・どのように」の3つの要素を明らかにする必要があります。
まず、1つ目の要素は「誰に」です。これは、対象市場・対象顧客を絞ることです。市場をセグメンテーション(細分化)して特定の市場に絞り込みます。その特定の市場でポジショニング(位置づけ、特徴づけ)を行い、 ペルソナ(理想の顧客像)を設定します。
こうして、しっかりと他社と「棲み分け」し、適所といえる市場(ポジショニング)を確保できるかを考えるのです。
2つ目の要素「何を」は、提供する価値は何なのかということ。そして3つ目の要素「どのように」は、商品の仕様を変えたり、提供方法を新たにつけ加えたり、増やしたり、減らしたり、取り除いたりして、業界の通例といわれるものとは違う仕組みに変えていきます。
 
 
■「棲み分け」の事例シチズンMホテル
 
前述の2つ目と3つ目の要素を、今、注目のホテル「シチズンMホテル」を事例(図③)にして説明しましょう。
まず、2つ目の要素「提供する価値」を、“旅慣れた人のための「手が届く高級ホテル」”としています。旅慣れた人にとってフロントやコンシェルジュは必要ありません。荷物も少ないのでベルボーイも要りません。そして、部屋のタイプは幾つもいりませんし、寝るだけなので広くなくてもいい。だから、料金設定を下げることもできるでしょう。
そのために創り出したのがセルフチェックインの端末、仕事終わりにちょっと飲める24時間使えるバー、そして親切なアンバサダー(世話係)。
増やしたことは、睡眠環境として特大サイズのベッドに高級リネン、部屋の遮音性、水圧のあるシャワー、さらに無料のオンデマンド映画配信、格安の電話、高速インターネット等々。
こうした絞り込みで、人件費は半分になったといいます。すると宿泊費を下げても人気を集めて業績をアップさせることができたのです。これが高級志向の人ならそうはいきませんが、絞り込めば込むほど、特定の顧客だけの満足に集中でき、余分なものはいらない。それが藤屋式ニッチ戦略の「棲み分け」といえます。
 

 
 
■マルチプル・ニッチャーを目指した「食い分け」
 
それでは「食い分け」とは何でしょうか。動物の世界では、同じ草でも、先端を食べる種がいれば、根元に近いほうを食べる種がいます。これだと、同じ草を食べても、他の種と競合することはありません。つまり、競合する商品やサービスがない状態を「食い分け」と言うのです。
図④をご覧ください。5つ星ホテルなら、高価格とフルサービスとなり、低価格でセルフサービスを望むならネットカフェになります。すると高価格でセルフサービスというのはあまり無く、そこをシチズンMホテルは狙ったわけです。
つまり、他社にとって魅力がない、あるいは、魅力と思われないような市場にもニーズが潜んでいるといえます。具体的にそういう市場を見つけるには、次の4点を基準にするといいでしょう。
・業界の異常識・非常識
・めんどうくさい
・儲かりそうにない
・相対的に市場規模が小さい
これらを基準に、満たされていないニーズや他社がやりたがらないニーズに応えることが、他社と市場ニーズを「食い分ける」ことになります。それが多角化に必要な「食い分け」なのです。
 

 
 
■マルチプル・ニッチャーのメリットとは?
 
藤屋式ニッチ戦略による多角化〔マルチプル・ニッチャー〕のメリットについても述べておきましょう。
 
◆強みを有効活用できる⇨強みは努力、努力はコスト、より多く、より速くコストを回収するためには、多角化が効果的です。
◆事業のライフサイクルに対応できる⇨事業には必ず「導入期→成長期→成熟期→衰退期」のライフサイクルがあるので、多角化しておけば図⑤のように、ある事業の衰退期が訪れても慌てることはありません。ドラッカーが「目標を達成した時はお祝いするのではなく、次の事業を準備する時だ」と言っており、調子のいい時にこそ次の事業の仕掛けをしておかなければなりません。
◆人材育成のチャンスが増える⇨組織のNo.2がトップに立ってもうまくいかない例はたくさんありますから、そういう人に新規事業を任せれば経営マネジメントを学ばせるいい機会になります。
 

 
 
■まとめ
 
ここまで述べてきたことをまとめると
 
◆自社の強みを再認識する
◆新事業の事業領域は、共通市場か共通技術だけにする
◆既存市場を細分化する
◆満たされていないニーズを探す
◆「棲み分け」と「食い分け」の視点から対応するニーズを選択する
◆多角化の方向は、川上・川下・横への展開
◆専門化と多角化を同時に行う
 
大手が入り込めないような小さな独自市場を創り出し、戦わずして勝てる「藤屋式ニッチ戦略によるマルチプル・ニッチャー」。この多角化戦略で、生命力の強い、高収益企業を目指してみてはいかがでしょうか。

【2019年11月号】部下を育てて強い組織をつくる 令和的、新しいリーダー像を探る

元号が「令和」となり、働き方改革の施行やAIの進展等々、時代が大きく変わるなかで、現在、チーム組織にはどのようなリーダーが求められているのか。シニア・ミドル世代のキャリア開発で数々の実績をあげてきた株式会社日本マンパワーの片山繁載氏にうかがった。


 
 
■人を育てる力が弱くなった今のリーダーたち
 
「これからのリーダー像を探る」というテーマを前にしたとき、今のリーダーに感じるのは「人を育てる力が弱くなってきた」ということです。部下との関係性を築こうという意思が希薄というか、相手の中に一歩踏み込んでいく力が弱くなっているように思えます。一体どうしてこうなってしまったのでしょうか。
私が社会人となった40年前の日本は、高度経済成長を遂げ、「Japanas NumberOne」と呼ばれていました。そんな日本的経営の強さはどこにあったのか。それは仕事熱心なリーダーたちが経営を支えていたからです。「明日はもっと組織を成長させてやる」というビジョンや目標、信念がワンセットとなって息づいており、それに向けて部下をきちんと育てていました。
そしてバブルが崩壊した後、低迷が続いていた1997年頃から、さらなる追い打ちをかけるように金融不安や失業率の急上昇、財政改革の挫折など、自信喪失の時代に入っていきました。
 
 
■昭和、平成とリーダーに何が起きたのか
 
すると、先の仕事熱心なリーダーたち(シニア・ミドル世代:40〜50歳以上)が行っていたやり方や頑張りが否定され始めたのです。戦後、管理者研修のお手本だったMTP研修*なども受けなくなっていきました。財務だとか、人間関係だとか、モチベーションの上げ方とか、今すぐ必要と思われるスキルだけをワンチャンスで身につければいいと、目先のスキル習得が主流となったのです。
すると何が起きたのか。リーダーとして身につけなければならないマネジメントの基礎がおろそかになってしまいました。確かに一つひとつのテクニックは身についているのですが、リーダーとしての器を持たないまま、リーダーとしての深い自覚が生まれてこないまま、現場に出てしまうのです。
リーダー哲学のようなもの、例えば「好調であっても次の事業を調査・探索しておくことを忘れるな」「新商品の販売比率を必ず何%か目標設定に入れること」「利益は今日の消費のためではなく未来への投資のためにある」といったことを、染み入るように繰り返し叩き込む管理者教育が手薄になったことは否めません。
*MTP(ManagementTrainingProgram)は、1950年代にアメリカより日本に紹介、導入された管理者研修プログラム。戦後の日本経済の復興、発展に貢献してきたことで知られている。現在、一般社団法人日本産業訓練協会が提供。
 
 
■「成長支援型リーダー」に期待
 
そして今、求められるリーダー像といってもさまざまですが、私が注目しているのは「成長支援型リーダー」です。
営業の部下が、例えば昨年の予算が3000万円で、今年は5000万円になった。お客様がついた。お客様と交渉できるようになった。できなかったことがどんどんできるようになり、壁を乗り越えることができた│。そうした部下の身についた力をどのように自覚するかを本人のキャリアの成長と結びつけて語ることができるリーダーは有能です。人の多様性を大切にし、長く働いて貢献をしてもらうため、一人ひとりを丁寧に育てる「成長支援型リーダー」こそ、これからの時代に求められるリーダーだと思います。
 
 
■青山学院大学陸上競技部監督
 
部下を育てることは、組織を育てることとイコールです。その好事例は、なんといっても青山学院大学陸上競技部の原晋監督です。どうやって、いまどきの学生をやる気にさせ、陸上競技部を強い組織に育てたのでしょうか。
原監督は、挑発と実践を繰り返して、選手たちの才能を開花させるのに成功しました。その方法は、ひと月の目標と練習方法をA4の用紙に毎月書かせます。当然、先月よりも少しでもレベルアップできる目標と練習方法です。こうすることで、挑戦する→気づく→挑戦する→気づくというサイクルを選手たちの中に根付かせました。自分を甘やかさず、可能性を追求していくわけです。やがて練習を選手たちが自分で管理する自主管理型に変わっていきました。
そうして次はチーム作りです。原監督は、駅伝シーズンに入ると、本番を想定したメンバーを毎日のように発表します。選手たち一人ひとりに自分の現実的な立ち位置を理解させるためです。すると選手は「明日はメンバーに絶対に入ってやるぞ」「今日もメンバーから外れないように頑張るぞ」と気を緩めずに努力を続ける。こうやって、箱根駅伝・総合4連覇を達成したのです。
 
 
■個人と組織の関係性を考えよう
 
青山学院大学陸上競技部の選手のパフォーマンスとチーム作りを参考に、個人と組織の関係性は次の3つがポイントになるでしょう。
 
1.管理(支配)のしやすさと、個人の自由度を考える
管理のしやすさだけを追求したら、「俺の言うことを聞け」「はい、わかりました」となり、絶対に新規の発想は生まれてきません。ですから、個人の自由度、組織の自由度に着目して、チームの可能性をメンバー自らが引き出すようなマネジメント姿勢が必要です。
 
2.メンバーの目標に対するコミットメント(必ずやり切るという決意)の引き出し方を考える
仕事や組織目標を自己目標化し、ヤル気やコミットメントを、個人・組織が持続的にやろうとするように仕向けていくことです。
 
3.持続的に成果を生む行動の源泉となるモチベーションの持たせ方を考える
目標達成は、単なる評価プラス個人・組織の成長としての意味を理解させ、仕事をノルマと報酬だけでなく、もっと、自分たちにとって望ましい成長過程になることだと捉えさせます。
 
 
■組織形態とリーダーシップ
 
次にメンバーにも組織にも、リーダーに求められる大切な能力、「リーダーシップ」を発揮するにはどうすればいいでしょうか。
リーダーシップの発揮は、まず組織の環境とその使命のあり方に応じて決まります。目標達成志向や率先垂範型の、いわゆる「オレが走るからついてこい!」では組織は持続的に成長させることはできません。持続成長できる組織としては「ネットワーク型組織」です。これを経営トップも考えていかねばならないでしょう。
図①をご覧ください。組織Aは、従来よくある階層重視で、上が決めたことを下は忠実に実行していく組織です。所属組織のために働くことが最優先され、隣の部署の手を借りたり、貸したりすることもありません。指示命令系統を重視するので上からの指示以外は動かない。今後こういう組織はまず長続きしないでしょう。
一方、組織Bは、自律・分散ネットワーク重視で、必要な目的を自分たちが作り出す組織*です。グローバルな環境変化に即応するため、迅速に市場や顧客対応していくため、目的に応じた自在な組織化が優先されます。
つまり、Bのように組織や肩書きを越えて知恵を出し合わないと、Aの縦割り組織の「オレの部下に手を出すな」では強い組織はできなくなっているのです。Bで隣の組織との結節点にいるL1やL2の人がリーダーシップをとっていくことになるので、リーダーは自分の立ち位置を自覚する必要があります。
*自律・分散ネットワーク組織は、野中郁次郎氏が提唱している組織

 
 
■課題を通してリーダーシップ能力を習得する
 
では、ネットワーク型組織で必要なリーダーシップは、どうすれば習得できるのでしょうか。
発揮されるリーダーシップは“課題の性質”によって異なってきます。リーダーシップ能力が発揮される機会となる「課題へのアプローチ」は、大きく次の2つ(図②)。
 
1.組織的正解が見えている課題(発生型課題)へのアプローチ
組織目標の達成管理に必要な職務遂行能力とその効果・効率的な行動実践で所期の成果が出せる課題です。
例えば、今期の予算達成まであと5%をどうするか。これは課題が明白であり、課題意識を共有することで、個人の役割に従って、一生懸命に力を合わせればいいのです。リーダーは、行動と成果が比例する因果関係を把握するように努めればクリアできるでしょう。
 
2.何が正解かがよくわからない課題(設定型課題)へのアプローチ
働く人や価値観の多様性を理解し、メンバーが望む、もっと良い組織、もっと快適な働き方、助け合える人間関係、組織や仕事との強い一体感、高い仕事意欲の保持など、組織のあり方や機能を良くするための創造的な課題です。
例えば、「採用した新人の育ち具合がよくなく、これからというときに辞めてしまう」「若手や中堅層にやらされ感が強く、会議などで前向きな意見や発案がでてこない」。
これらの課題には決まった答えはなく、当事者の社員が何を気遣い、何が嫌になっているのか、何があれば良いのかなど、リーダーとメンバーがハラを割った話し合い、つまり、対話が必要になってきます。

 
 
■個人と組織の関係性を強化できるリーダーに
 
対話することで、さらにリーダーに求められるのが前述にもあった個人と組織の関係性、これを良くする能力・スキルです。つまり、関係性理解と関係性を強化するためのマインドと行動化スキルの習得。これが重要だと、私は今、強く思います。
リーダーと部下の関係、社長とリーダーの関係、お互いの信頼感、目標への共感、協働感があるかないかです。関係性の質が悪いのにいい成果は生まれません。
こうした関係性を粗雑に扱っていると「オレの言いたいことはわかっているはずだ」「今期の経営方針や目標は書類に書かれているだろ」となります。でも、部下がその目標に本気で取り組んでいるのか、本音はどう思っているかなんて、本人ときちんと話してみないとわかりません。だからこそ「ハラを割った話し合い」が大切なのです。
話し合いのとき、「オレもこういう人間だから、時たまヘマをするんだよ」とリーダーは自分の弱みをさらけ出すのも大切です。「オレは強いんだ」「私がチームを引っ張っていくんだ」と言うのは前時代的な価値観によるものといえます。
 
◉チームみんなに活躍してもらうには、私は何をしたらいいのだろうと気づくリーダー
◉上から目線ではなく、メンバーと自然な向き合い方ができるリーダー
◉強気のスタンスを外し、メンバーの考えや気持ちの奥底にある感情を、優しくしなやかに聴く努力ができるリーダー
◉人の感情・心を大切にすることができるリーダー
 
このようなスタンスと能力を持ち、キャリアの自律したリーダーが、これからの令和にふさわしいリーダーといえるのではないでしょうか。
 
 
★従業員の活力を引き出すいまどきの人材育成施策「セルフ・キャリアドック」
専門の導入キャリアコンサルタントが企業を訪問し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援するのがセルフ・キャリアドック(厚生労働省https://selfcareerdock.mhlw.go.jp)。「若手社員の定着率がよくない」「中堅社員のモチベーションが下がっている」「育児・介護休業明けの処遇に悩んでいる」「シニア社員にもっと活躍してほしい」といった課題を持つ企業が導入している。導入の相談・利用は無料。助成金としては厚生労働省「人材開発支援助成金」がある。

【2019年10月号】失敗しない人材採用計画を目指してミスマッチを防ぎ、「面接」を見極める!

現在の人材採用は、経営ビジョンや経営戦略を具現化する能力を持つ人材を確保する戦略性が求められている。それには何としても「ミスマッチ」を防ぎたいもの。今回は長年のコンサルティング経験から採用面接もアドバイスする鳥澤謙一郎氏に、最新の適性検査など、面接での見極め方についてうかがった。

鳥澤謙一郎氏オリジナルシート

◆ミスマッチを防ぎ、合否を見極めるチェックシート
現在、大卒新入社員の3割が、入社後3年以内に離職しているといいます。これでは採用コストや教育コストが無駄になるだけでなく、会社の将来にも大きな痛手となります。離職する理由はさまざまでしょう。「待遇が不満」「期待したようなやりがいを感じられない」「人間関係がうまくいかない」等々。これらは一言でいえば「ミスマッチ」に他なりません。採用段階で、企業と求職者のお互いの意思を確認し合っていれば、ミスマッチを防ぐことができたと思われます。でも、入社してみなくてはわからないというのが本音でしょうし、面接で採用する・しないの見極めは至難の技ともいえ、人事担当者の頭を悩ませています。そこで、私が面接時に役立ててほしくて作成した「仕事力・自己診断シート」(下図)をご紹介させてください。これは私がコンサルティングしてきた現場で蓄積してきたことと、これまで出会った多くのビジネス成功者から学んだことをもとに作成したものです。

◆自己肯定できる人かどうか
このシートは、「自己肯定力」をチェックするものとして作成しました。ビジネス現場では失敗することのほうが多く、例えば私がリクルートの営業マンだった頃の新規獲得率は5%でした。戦略的に計画を立て、リストを作成し、アポイントを取り、たくさん断られてやっとプレゼンできても、契約に至るのは僅か5%。つまり、100件にプレゼンして、契約はたった5件だけ。“心が折れる”とはいいますが、断られ続けていたら、自分を信じる力とか、こうなりたいという理想を持ち続けるには自己肯定力がないと、なかなか前に進めません。100のうちに95も失敗しても、「95のダメなやり方を知った」と思う失敗を学びに変えるポジティブさ、自己肯定力がビジネス現場では必要だからです。シートの設問に対する答えは◎が多いに越したことはないのですが、実はたった3つの設問の答えだけを見て判断できるように作っています。

◆この3つの設問の答えが◎であれば採用すべき人物
まず、[1]コミュニケーション力では、10の「自分のこれまでの人生は運がいいと思っているか」は◎であれば採用したい人材といえます。運がいいと思っている人は前を向いています。例えば“出会い”を偶然だとしても「これはいい出会いだ」と思う心持ち、肯定的な考え方は良い出来事を引き寄せます。また、「運がいい」という人は、自分のいたらなさを認める素直さもあるので伸びる可能性が高いと思います。それに対して「運が良くない」と思う人は、物事に対して否定的かつ批判的なので、周囲の応援も得にくいですよね。
[2]主体力では、20の「労働条件より成長できる環境を重視するか」も◎なら合格です。「労働条件」といえば給与や報酬ですが、それは結果の話です。結果はまだ出していないのに、お金を求めるのはどうでしょうか。お金が先にありきだと、キャリアを積んだ技術者は別にして、小さくまとまってしまい、すぐに不満を言うような気がします。それよりも、「こういうことがしたい」「この仕事を通して成長したい」と自己実現したい人、自己の能力や個性を生かしていきたいという人なら、結果としてのお金はついてくる環境がある。そんなスタンスで採用し、受け入れたいものです。
[3]達成力では、30の「両親を尊敬し、年長者・上司を立てることができるか」も◎であればOKです。生みの親、育ての親に尊敬せずして成功した人はいないのではないでしょうか。これまで出会ったビジネスで永続的に成功された方たちを見ていると、生みの親、育ての親には常に感謝の念を持ち、先輩や上司、周囲をさり気なく立てています。主観的な言い方になるかもしれませんが、10、20、30の設問が◎であれば、あとの設問が△や×ばかりでも、採用してもよい人物だと私は考えています。

◆面接は先入観を抑え、過去の事実を深掘りしていく
「仕事力・自己診断シート」は私の経験から導き出されたものですが、客観的なデータを駆使したチェックシートをご紹介しておきましょう。株式会社ヒューマンキャピタル研究所の適性検査「HCi-AS(HumanCapital Institute-AdaptationSupport)」です。6千社、200万人以上の検査実績があるそうで、診断結果と受検者本人の性格特徴を照らし合わせたときの合致性・正確性は85%以上だといいます。その「HCi-AS」を紹介する前に、懇意にする同社の猪俣卓氏に面接のポイントを話してもらいましょう。猪俣氏「面接で気をつけたいのは、書類や第一印象などから抱く主観による“先入観”です。先入観があると客観的に見るのが難しくなるのですが、なかなか取り除くこともできません。そこはあえて先入観があることを認めてから臨むのもいいでしょう。例えば挨拶がハキハキして『好青年だ。』という先入観が生じても、一歩引いて『好青年だが、……』というように心がけるのです。また、面接では応募者がどういう人物なのか、過去の経験や実績などいろいろな角度から訊き出します。その訊き出した事を深掘りしていきましょう。どうしてそれをやろうと思ったのか、何がきっかけだったのか、その結果はどうなって、どのように感じたのか。深掘りして、その人の考え方や視点の置き方を掴むことです。過去の事実を徹底的に深掘りしていくのが面接官のスタンスだと思います。一方、新卒なら『御社ではこんなことをしたい』と未来の話になると思いますが、その場合は、なぜそれがしたいのか、あなたなら何ができそうか、といったような感じで深掘りをしていけばいいかと思います」

◆「見極め」のために、適性検査も活用してみる
採用面接は、かなり高度なスキルを必要とします。1度や2度会っただけで応募者がわが社にふさわしいのかどうかの「見極め」が求められるからです。それができていないから、早期退職が後を絶たないミスマッチが起こっているといえます。しかも、昨今は売り手市場と言われ、人手不足が深刻化しており、欲しい人材が来ないが故に採用を急ぐケースが、よりミスマッチを生み出しているように思えます。また、面接だけでわかることは限られていますし、面接だけで決めると面接官の主観が採用を左右することになり、それもまたリスクがあるといえます。そこで、先の適性検査「HCi-AS」を活用してみるといいかもしれません。猪俣氏「この適性検査HCi-ASは、面接では分からない応募者の本質的な性格特徴を、簡単なアンケートで明らかにします。実施がしやすいのもポイントで、アンケートを受けて、その診断結果が出るのに30分もかからないスピーディーな検査なのです」

◆受検者の個性まで確認できる診断結果
採用面接は、かなり高度なスキルを必要とします。1度や2度会っただけで応募者がわが社にふさわしいのかどうかの「見極め」が求められるからです。それができていないから、早期退職が後を絶たないミスマッチが起こっているといえます。しかも、昨今は売り手市場と言われ、人手不足が深刻化しており、欲しい人材が来ないが故に採用を急ぐケースが、よりミスマッチを生み出しているように思えます。また、面接だけでわかることは限られていますし、面接だけで決めると面接官の主観が採用を左右することになり、それもまたリスクがあるといえます。そこで、先の適性検査「HCi-AS」を活用してみるといいかもしれません。猪俣氏「この適性検査HCi-ASは、面接では分からない応募者の本質的な性格特徴を、簡単なアンケートで明らかにします。実施がしやすいのもポイントで、アンケートを受けて、その診断結果が出るのに30分もかからないスピーディーな検査なのです」

◆ストレス耐性に強いかどうかも大切
さらにHCi-ASには、受検者のメンタルヘルスについてもアドバイスしてあるので心強いと思いますよ。猪俣氏「最近では、仕事を任されるプレッシャー、クレーム、ミス、職場での人間関係など日々生じるさまざまなことからのストレスで早期退職する人が増えています。今やストレス耐性の強い人を選ぶことが採用の失敗を防ぐことにつながり、人材採用の大きなポイントになっているのです。診断結果にはその点も重視してメンタルヘルス、ストレス耐性についても明記し、採用の合否の判断材料として活用していただいております」このようなチェックシートや適性検査は、採用を迷ったときなどはもちろん、面接や試験と合わせて活用するととても役立つと思われます。ミスマッチの少ない採用計画こそまさに戦略的人事であり、企業の存亡にも関わってきますので、今回ご紹介させていただきました。

【2019年9月号】部下のやる気を高める!モチベーション・エンパワー Part2

前号では、自身や他者を動機づける「モチベーション・エンパワメント」の5つの要素を、JTBコミュニケーションデザインの野本明日香氏にうかがった。今回は、その5つの要素の生かした方を、さまざまなケースを通して実践的に解説してもらった。
※本稿では「エンパワメント」を従業員の本来の力を引き出し、成果と従業員の充実感を生み出すという意味とする

ビジネス現場で生かす10のケース

モチベーションを高める5大要素
前回お話した「モチベーションを高める5大要素」について少しおさらいをしておきましょう。

①身体の状態
モチベーションは体の中で生まれますので、まずは「身体の状態」を整えることが大切です。食事・睡眠を充実させるとともに、筋肉を動かすなど運動をすることで脳内のモチベーションを高める物質がたくさん出やすくなります。失敗などで気分が塞ぎ込んだら、筋トレや運動は手早く元気になれる方法です。

②アウトカム
「アウトカム」とはゴールや目標、欲しいモノのこと。「私の理想の状態はこれだ」「これを手に入れたい」というイメージを明確に持つことが大切です。「今日一日しっかり働いて、美味しいビールが飲みたい」「自身が成長してこんな姿になりたい」というのもアウトカムといえます。

③ミッション
私たちの働くモチベーションの最も核にあるのが「ミッション」です。自分は仕事を通じてどのような使命を果たすのか、すなわち自身の命を使って果たすべき役割は何なのか、がミッションとなります。企業なら、自分たちの組織の存在意義、そして従業員は、何のために、誰の幸せのためにこの仕事をするのかがミッションになるのです。

④柔軟性
目の前の出来事にどういう意味づけをするのか、その事実をいかに生かすか、それが「柔軟性」です。例えばクレームに対して「もううんざり。この仕事は辞めよう」と思うか、「このクレームには何か意味がある。ここから何を学ぼう?」と思うか。どのように受け止めるかは自分の選択です。周囲の環境にしなやかに適応し、起こる出来事を全てチャンスに捉えるのが「柔軟性」です。

⑤刺激
「刺激」はモチベーションを高めるのに重要な要素といえます。もし仕事がマンネリ化しているのなら一緒に仕事をする人を変えたり、席替えや模様替えをしたり、通勤の経路を変えたりするのもいいでしょう。さらに、テンションが上がる音楽や映画、食べ物やアート、元気になるモノ、演劇やコンサートなど、全力でエネルギーを放出されているモノに触れるのも大きな刺激となるはずです。
これら5つの要素を、ビジネス現場でどのように生かしていけばいいのか。さまざまな職場での問題を通してアドバイスしたいと思います。(以下の質問内容は、野本氏のもとに寄せられた実際の質問や相談をベースに、エスカイヤニュース編集部が作成)

【身体の状態】

1. 自分の身体をよく観察し、クセを知ること

Q. 1日のうちでも、モチベーションが上がるときと下がるときがあるように思えます。下がるときは集中力が欠けているからなのでしょうか。

A. 1日の中でも生産性が上がる時間帯があります(左図参照)。食後しばらくしてから、午前なら11時ごろ、午後なら15時あたりにピークがきますので、脳が一番よく働くこの時間帯に大事な仕事をもってくるといいでしょう。また、集中力が続くのはおよそ45分、最大でも120分といわれています。集中力が下がる時間帯には、あまり集中力を必要としない仕事をするなど、人の身体の調子にはバイオリズムがあるので、その波をうまく利用するのです。ふだんから自分の身体をよく観察し、自身の癖をよく知ることが大切です。

2. 職場の環境を変えてみる

Q. あるカタログ冊子の制作を15年間担当し、仕事はルーチン的な作業となっています。だからか「新しい企画を」と言われてもアイデアが浮かんできません。どうしたらいいのでしょうか。

A. できるかぎり環境を変えてみましょう。手始めに、いつもディスカッションする相手、席、インテリア等、目に入ってくるモノを変えてみましょう。15年もやっているのなら日本のカタログ事情の大概のことはご存じでしょうから、海外のサイトを見るなど、インプットの幅を広げるのも一つです。海外だとカタログの作り方や使われ方も日本とは違うはず。そこからインスピレーションを得ることもできるのでは。

【アウトカム】

3. リーダーは明るく元気でいること!

Q. このところ顧客からのクレームやミスが続き、メンバーは自信を無くし、チームの雰囲気も陰鬱です。なんとかチームを盛り上げたいのですが、いい方法はないでしょうか。

A. まずはリーダー自身がご機嫌で仕事をすることです。「ミラーリング」と言って、私たちは無意識に目の前にいる人の言動や仕草など、鏡を見るかのように真似をします。これはモチベーションも同じこと。周囲に伝播していきますから、目の前の人は自身の鏡だと思うことです。自身がメンバーを元気付ければ、元気になったメンバーを見て自分も元気をもらえます。

4. 「これならできそう」と思わせる

Q. 当社も女性が活躍できる会社を目指そうと、複数の幹部候補を選びました。するとその一人が「なぜ私ですか?」と辞退したいと。優秀な人材なのでなんとか管理職に育てたいのですが。

A. 「女性管理職を増やしたい」という相談はよく受けますが、現場の女性たちはなりたくないというのが大半です。理由は2つに集約できます。1つは管理職に魅力を感じていないから。2つ目は自分にはできそうにないと思っているからです。一般的に男性は自己評価を高く見積もり、女性は自己評価を低く見積もりがちで、自分にはとても無理と思っていることも多いのです。
そこで「あなたのやってくれたこれが助かった」「あなたのここが強み」と、一つ一つ承認の言葉をかけて、「これならできそうだ」「こんな管理職ならなってみたい」と思えるよう承認するとともに、彼女にとって魅力的と思える管理職像を創っていけるようサポートをしていきましょう。

【ミッション】

5. 文句ばかり言う人には役割と責任を伝える

Q. どんな仕事にも文句を言う男性部下がいます。特に変更を嫌がり、きちんと理由を説明しても「最悪」と嘆き、チームの士気を下げてしまうのです。どのように指導すればいいのでしょうか。

A. まずは、変更も彼のすべき仕事であることをきちんと伝えるべきでしょう。文句や悪態をつくのが癖になっている可能性もあります。自分が周囲へ悪い影響を及ぼしていることに気づいていないのかもしれません。率直にチームの士気を下げていることを伝えるのもよいでしょう。文句には同調せず、彼の役割と責任をしっかりと認識させましょう。

6. 繰り返し問い掛けていく

Q. 20代後半の部下で、いわれた事、指示した事は完璧に仕上げるのですが、それ以上の事はしません。自らやってみる楽しさを感じてほしいのですが……。

A. 指示した以上のことを部下がやってくれることをあなたが期待しているのなら、それをまずはきちんと伝え、認識してもらうことです。例えば「ここまでの指示は出すけれど、そこから先は自分で何らかの方法を考えてほしい」と指示以上の事をやってほしいと最初にきちんと伝えます。それを言わないで、やってくれたらいいなと期待しても部下には伝わっていません。
そして、「これについてはどう思う?」「何の役に立っていると思う?」とさまざまな問い掛けを繰り返ししていけば、あなたがいなくてもその問いが頭をよぎり自ら考えるようになるでしょう。

【柔軟性】

7. 陰気臭い職場には「おしゃべり作戦」

Q. 異動で新しい職場に来て間もないのですが、とにかく陰気臭く、挨拶もなく、報告も目の前にいるのにメールで済ませようとします。皆のモチベーションを上げる方法はありませんか?

A. とにかくリーダー自らがよく喋り、明るい雰囲気を作ることです。何でもメールで済ませようという職場は動きが停滞しているもの。「話す」ことでそこにエネルギーが発生するので、いろんな人と対話してエネルギーの橋を架け合っていけば、澱んでいた空気も動き出すはず。一日中パソコンに向かってずっと黙っていると、極端ですが顔の筋肉が喋り方を忘れてしまいます。気軽に話しやすい環境を作ること。雑談のしやすい職場というのを目指してもいいかと思います。

8. 顧客の要求の理由を深く理解する

Q. 決済システムのプロジェクトリーダーを務めています。短期納品なのに2度も仕様変更があり、顧客に振り回されて皆うんざり。やる気を取り戻すにはどうすればいいでしょうか。

A. 振り回されているという捉え方を変える必要がありそうです。変更があるということは得意先もそれ以前に迷っていたのかもしれず、予測して別案を提案していれば迷わせることはなかったのかもしれません。顧客の要求の「なぜ」「何のために」といった理由や目的を深く理解できれば、顧客にとって最良の選択肢を提案できるはずです。

【刺激】

9. 自分をメンテナンスすることも大切

Q. 今のチームもようやく軌道に乗り、成果を上げているのでホッとしたのか、最近、やる気が出ません。新しいことにも億劫になってしまいます。どうしたらやる気が出てくるでしょうか。

A. 人は常に全力疾走する必要はありません。時に、エネルギーをたくさん使ったあとは、自分を充電し、メンテナンスする時間も必要です。美味しいものを食べるとか、温泉に行くとか、新しい分野の勉強などインプットに努めるのもいいでしょう。次の目標を定めるのはそれからでも良いのです。

10. ボキャブラリーを増やして褒め上手になる

Q. 幹部研修で「褒めることが大切」と教わりましたが、なかなか褒めることができません。どうしたら褒めることができるでしょうか。

A. まずは褒めるボキャブラリーを増やしましょう。上の世代のスパルタ的な環境で過ごしてきた方は褒められた経験があまりないので、褒める言葉を知りません。ですから、いざ褒めたくても言葉が出てこないのです。普段から褒める言葉を手帳に書き留めておけば、自然と口に出てくるようになるでしょう。身近な人や芸能人などで褒め上手な人を参考にするのも良いですね。

参考:野本明日香著『たった5つでモチベがあがる技術』(日経BP社)