【2016年1・2月号】 できるビジネスマンはここが違う!「すぐできる」脳にする10の習慣
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予想外の出来事が起きても素早く対応できる、
いわゆる「頭の切り替えが早い」脳にするためには、
普段からどんな習慣を心掛けていればいいのでしょうか。
神経内科の医師であり、テレビや多数の著書でおなじみの
米山公啓医学博士に寄稿いただきました。
私たちの脳はどうも同じことを好むようで、日常を考えても同じ時間に起き、駅のホームの同じ場所に立って、同じ電車に乗っています。しかし、仕事で要求されるのは、オリジナリティであり、大きな変革と素早い判断です。
となってくれば、日常生活の中で脳の切り替えを早くしたり、いわゆるできる脳にしておくために、努力する必要があります。
①だれよりも新しい物を早く手に入れる
ネット通販が主流になってきても、限定商品などは、ショップに行かないと手に入らなかったり、実際に並ばないと購入できないこともあります。
欲しいと思ったとき、それを迷わず買ってしまう習慣と判断力をつけておくことが重要です。お金を支払うというリスクに対して、迷わず行動できることは、自分の判断に自信がないとできないものです。無駄な物だから買うのをためらうとか、実際に物を見てからにしようでは遅いのです。新しい物の情報を手にしたら、その情報だけで購入する判断力は、仕事にきっと役立ちます。
そのためにも、やはり実際に購入する努力をすべきです。
②短い時間の気分転換テクニックを持つ
気分転換テクニックを持つ
脳はずっと考え続けることはできません。どこかで休ませる必要があります。そのためには、3分でも5分でも短い気分転換を、自分なりの方法を持つことが重要です。
机から立ち上がり、コーヒーを飲むというのも無意識に行っている気分転換ですし、ちょっとチョコレートを食べるということでもいいでしょう。
もう少しで終わるから頑張ろうではなく、思い切って休憩を取ることが、脳を常に活性化させておく秘訣です。
同じ刺激には次第に反応しなくなってくるのが脳の基本的な反応です。
休む時にはできるだけまったく関係のないことを考えたり、行動すべきです。
席を立って、気分転換できる環境にいないなら、iPadにペン入力で絵を描いてみるなど、右脳的な刺激のほうがいいでしょう。
③すぐに目の前の仕事を辞める勇気を持つ
目の前に仕事があれば、これをやらなくては帰れないとか、午後7時から宴会があるのに、あと30分頑張れば終わると言って、結局仲間との宴会に間に合わない、ということになります。
そういうタイプの人は常に時間に遅れてしまうものです。その時間に遅れるということが、仕事の約束にも出てしまうことがあります。自分の時間コントロールができなければ、脳の切り替えもうまくいかないでしょう。
そのためにはまず、時間前にさっと仕事を中断できる勇気が必要です。あとからその仕事をしても、最後までやれるという自信が必要です。
目の前の仕事を中断しても、なんとも思わないということは、自分の仕事能力に自信がある人です。
最後までやりきらないと落ち着かないでは、脳の切り替えはできません。
1分前まで仕事に追われていても、1分後には、カラオケで大声で歌える脳の切り替えの素早さこそ、能力のある証拠です。
いまにこだわらず、先のことを優先できる勇気を持ちましょう。
④とにかく歩いてくる
イライラしたり、仕事がうまくいかない、アイデアが出てこないとき、机の前で悩むのではなく、思い切って外に出て歩いてみましょう。
歩くことで、実際に記憶力もアップしますし、脳を前向きにする脳内物質であるセロトニンの分泌も高まります。
仕事に行き詰まったと感じたら、外を歩いてみましょう。脳のリセットにもなりますし、全く別な外の風景を見ている間に、思わぬアイデアが生まれることも多いものです。
同じ思考回路に陥ってしまえば、そうそういい考えは出てきません。
迷うことなく、外を10分でもいいので歩いてみましょう。
⑤新幹線の中で読書に集中する
集中力がもっとあればと思うことが多いかもしれません。しかし、人間の集中力はそうそう持続しないのが普通です。
スポーツではゾーンに入るという言い方があります。ほとんど無意識で最高のパフォーマンスができる状態です。ビジネスマンであれば、最高に集中している状態と同じでしょう。
その最高に集中した時間を経験すると、その快感が忘れられなくなり、集中することが楽しくなってくるものです。
集中するためには、どこか不便で限られた空間がいいのです。それには新幹線のような列車の空間と、移動する2時間はそこから逃れようがないという設定も重要です。
まったく自由な空間で時間もたっぷりあるという環境では集中力は上がってこないものです。
新幹線に乗るときは、本でも雑誌でも少し高度な一冊を持って、完全に読み切る努力をしましょう。時間を有効に使えたという喜びと、何かを学んだという気持ちが、集中力の意味を実感できるはずです。時間を忘れてしまった、それこそが集中できた結果です。
⑥持論を語れる相手を持つ
脳の中で考えていることと、自分が口にすることではまったく意味が違ってきます。言ったことには責任が生じてきますし、他人への影響力を持ってきます。そこが重要です。自分の考えを人に語ることで責任感を感じるようになり、行動にも変化が起こるからです。語ることで、判断の素早さ、結論を出す勇気なども生まれ、素早い思考回路を作れるようになるからです。
悩んでいるだけでは駄目です。それを誰かに語ることが大切です。そのためには利害関係のない友人がいるかどうかでしょう。
⑦迷ったら寝る
睡眠は脳を休ませるのではなく、脳を非常に活性化します。寝て起きたらいい考えが浮かぶというのは、寝る前の様々な情報の整理を行った結果なのです。
日中は長く寝るわけにはいかないかもしれませんが、10分でもいいので、ちょっと寝てみましょう。寝ている間に脳内の血流量と脳を刺激する神経栄養因子も増えます。
バラバラになっていた情報の整理ができて、想像もしていなかった結果を出すかもしれないのです。
重要なところは、考えながら寝ていくことです。休むのではなく、悩みながら寝ることで起きたときに解決案が思い浮かぶのです。
決断ができないとき、思い切って寝てしまいましょう。
⑧1知って10の結果を予測する
情報がとにかく多い時代です。ネットで調べればかなりの情報が手に入ります。しかし、情報が多いから素早い判断ができるわけではありません。むしろ情報が多いために、迷いも増えてしまいます。
少ない情報から、相手を読んだり、直感的な決断をしてしまうということは重要でしょう。直感的な判断はいい加減ではなく、たぶんそれが正しいことが多いのです。それは訓練をされた脳であればあるほど、正しい決断のことが多いものです。
仕事ができる人は、多くの情報を得なくとも、自分の予測や想像力で正しい判断を下していきます。少ない情報で結論を出す訓練は直感的な判断力をもたらしてくれます。
⑨食事は抜かない
脳のエネルギーは基本的にはブドウ糖だけです。ブドウ糖の元は炭水化物、つまりご飯、麺類、パンなどの主食から、からだの中で作られます。
ブドウ糖はからだの中に貯蔵しておける量はわずかなので、補充していく必要があります。朝食を抜くことは、やはり脳へのブドウ糖供給が減ることになるので、きちんと朝食を食べるのは、ビジネスマンの基本です。
もちろん昼食、さらには午後2時か3時のおやつ、夕食なども、時間通りに摂っていきましょう。
脳へのエネルギー補給は基本中の基本です。
⑩瞑想する時間を持つ
とにかく日中は様々な情報が脳に入ってきて、むしろ判断力を鈍らせてしまいます。もちろん夜寝ることでリセットはできますが、日中でも一度、脳のリセットをする必要があります。
できる限り五感を刺激しない状態が大切です。つまり目をつむり、力を抜いて楽に椅子に座って、頭の前に温かい太陽のような丸いものをイメージします。
そんな時間を5分でもいいので作ってみましょう。リセットされた脳は再び活気を取り戻すはずです。素早い判断能力もよみがえってきます。
脳を刺激したり、休ませたりする日常での工夫は、慣れてくれば意識しないでできるようになるはずです。そうなれば、素早い判断力が身についた証拠です。